このお祭りは、真鶴町において古く漁師の方々に信仰されてきた海の神への信仰を基としたものです。
ところで、海の神のお祭りが「豊漁」を願うものであると同時に、「豊作」を願うものでもあるのは何故でしょうか。
真鶴では「魚つき林」という言葉に象徴されるように、海が山(地)を育て、また山が海を育てるという独自の自然観があります。
これは全ての源である海が、恵みの雨を降らせ地を育み、そして大地は豊かな養分を含んだ水や土砂を海へと返すことで、海の生物を育み、互いが共存共栄しているという思想です。
真鶴の人々は、そうした自然の有り様に学び、その形を崩さず繁栄する道を美徳としてきました。
海岸において、漁業と農産業、地場産業の振興、そして住民の親睦がなされ、また多く町外からの観光者の皆様を迎え共ににぎわう豊漁豊作祭「岩龍宮祭」には、交流と調和に豊かさの理想を求めた、当町の歴史があらわれています。